![]() 5月末でパソナグループの社長を退任する南部靖之氏 |
詐欺会社「豊田商事」に人材を派遣した
「南部靖之」がパソナ社長を退任 2025年4月21日 1980年代前半に発生した金の地金等(現物まがい商法)を用いた組織的詐欺事件「豊田商事事件」。高齢者を中心に全国で数万人が被害に遭い、被害総額は2,000億円近くで、当時の詐欺事件としては最大の被害額である。85年6月には豊田商事会長の永野一男が、事件を取材中のマスコミの目前で殺害された。一方、人材派遣の旧テンポラリーセンターを76年に設立した南部靖之は、この豊田商事に人材を派遣していた。我身を恐れた南部は87年に家族とともにアメリカに移住。当時は会社の専務を名乗っていた。 南部は、ほとぼりが冷めた93年1月に日本に帰国し、テンポラリーセンターCEOとなった。そして、社名も「パソナ」に改めた。パソナは六本木ヒルズに近い港区元麻布に、古い料亭のような建物を所有していた。これがパソナの「仁風林(にんぷうりん)」で、南部が各界のVIPを接待したサロンだ。安倍晋三、菅義偉、西村康稔、経産省幹部等を接待していた(『週刊新潮』2020年6月25日号)。これによって、永田町、霞が関との関わり合いを深め、パソナは政商としてのし上がっていった。その南部がパソナグループの社長を5月31日に退任する。(文中敬称略) |